カテゴリー設計と記事の整理
この記事のポイント
サイトの記事はカテゴリーで整理することで、依頼者が必要な情報を見つけやすくなり、Googleからの評価も高まります。カテゴリーは「なんとなく」ではなく検索データに基づいて決める。本記事の5原則とチェックリストを使えば、独立3ヶ月前の段階でサイトの骨格となるカテゴリー設計を完了できます。
目次
固定ページの構成が決まり、サイトの「箱」ができた。次は、今後書いていく記事(ブログ)をどう整理するかです。
「カテゴリーは分野名で適当に分ければいい」と考える方が多いのですが、カテゴリー設計はサイトの集客力に直結します。適切に設計すれば、依頼者が必要な記事を見つけやすくなるだけでなく、Googleからも「このサイトはこの分野に詳しい」と評価されやすくなります。
この記事では、キジラクの検索データを使ってカテゴリーを決める方法、まとめ記事と詳細記事の階層構造、WordPressでの設定手順までを解説します。独立3ヶ月前の今のうちにカテゴリー設計を固めておけば、開業後に記事を書き始めたときに迷わず進められます。
なぜカテゴリーで整理するのか — 3つの理由
ここでは、カテゴリーで記事を整理する意義を3つの観点から理解します。「ただ分類するだけ」ではなく、集客の仕組みとしてカテゴリーが機能することを押さえてください。
まず結論から。カテゴリーで記事を整理すると、以下の3つの効果が得られます。
- 依頼者が関連情報をまとめて見つけられる(利便性の向上)
- Googleに「この分野に詳しいサイトだ」と伝わる(検索評価の向上)
- カテゴリーページ自体が検索で表示される(集客導線の増加)
それぞれ具体的に見ていきます。
理由1: 依頼者が関連情報をまとめて見つけられる
離婚で悩んでいる依頼者がサイトを訪れたとき、離婚調停・養育費・財産分与の記事がバラバラに並んでいたら、必要な情報を探すのに時間がかかります。「離婚」というカテゴリーにまとまっていれば、関連する記事を一覧で確認できます。
カテゴリーで整理されたサイトでは、パンくずリスト(ページ上部に表示される「トップ > 離婚 > 離婚調停の流れ」のようなナビゲーション)が自動的に生成されます。パンくずリストがあると、依頼者は「自分が今どこにいるか」を把握でき、上位カテゴリーに戻って他の記事も確認しやすくなります。結果として、サイト内の回遊率(複数のページを読んでもらえる割合)が向上します。
回遊率が高まると、依頼者がサイトに滞在する時間も長くなります。結果として「この事務所は情報が充実している」という印象が生まれ、問い合わせにつながりやすくなります。
理由2: Googleに「この分野に詳しいサイトだ」と伝わる
Googleは、関連する記事がカテゴリーでグルーピングされたサイトを「この分野について体系的に情報を持っている」と評価します。
例えば「離婚」カテゴリーの中に「離婚調停の流れ」「養育費の相場」「財産分与の対象」「親権を取るためにすべきこと」の記事が整理されていると、Googleは「このサイトは離婚について包括的な情報を提供している」と判断します。その結果、離婚に関連する検索全般で上位表示されやすくなります。
逆に、同じ記事でもカテゴリーが設定されていなかったり、「お知らせ」「コラム」のような曖昧なカテゴリーに入っていたりすると、Googleはサイトの専門性を正しく認識できません。
理由3: カテゴリーページ自体が検索で表示される
WordPressでカテゴリーを設定すると、そのカテゴリーに属する記事の一覧ページが自動的に生成されます。このカテゴリーページ自体が、「離婚 弁護士 記事」のような検索で表示される可能性があります。
カテゴリー名に検索で使われる言葉を含めておくことで、記事単体だけでなくカテゴリーページからも集客できる導線が生まれます。
カテゴリー設計の5つの原則
ここでは、カテゴリー設計で守るべき5つの原則を理解します。これらを押さえれば、「なんとなくの分類」から「集客に効くカテゴリー設計」に変わります。
原則1: カテゴリー数は3〜7個
カテゴリーが多すぎると、各カテゴリーに入る記事数が少なくなり、Googleから「この分野について十分な情報がない」と判断されます。逆に少なすぎると、関連性の低い記事が同じカテゴリーに混在します。
| サイトの記事数 | 推奨カテゴリー数 | 考え方 |
|---|---|---|
| 10本未満(開業直後) | 2〜3個 | カテゴリーに1〜2本しか入らない状態は避ける |
| 10〜50本 | 3〜5個 | 1カテゴリーあたり5本以上が目安 |
| 50本超 | 5〜7個 | 1カテゴリー20本超で子カテゴリー分割を検討 |
独立3ヶ月前の段階では、まず3〜4カテゴリーで設計し、記事が増えてから追加するのが安全です。最初から7個も作ると、大半のカテゴリーが空っぽの状態が長く続きます。
原則2: カテゴリー名に検索で使われる言葉を含める
カテゴリー名は「自分が付けたい名前」ではなく、依頼者が実際に検索する言葉で付けます。
| 避けるべきカテゴリー名 | 改善例 | 理由 |
|---|---|---|
| お知らせ | (カテゴリーにしない) | 検索需要がない。依頼者が検索する言葉ではない |
| コラム | (カテゴリーにしない) | 内容が曖昧。どんな記事が入るか分からない |
| 婚姻関係事件 | 離婚 | 法律用語よりも依頼者に馴染みのある言葉を使う |
| 金銭トラブル | 債務整理 | 依頼者が検索する具体的な分野名にする |
| よくある相談 | (内容で分類し直す) | 分野を横断する曖昧な分類は避ける |
原則3: 1記事1カテゴリーの排他性
1つの記事を複数のカテゴリーに入れると、サイトの構造が曖昧になります。「この記事はどのカテゴリーに入るか」が迷わず決まるように、カテゴリー同士のテーマが重ならない設計にするのが鉄則です。
例えば「離婚」と「慰謝料」を別カテゴリーにすると、「離婚慰謝料の記事はどちらに入れるか」で迷います。この場合は「慰謝料」を「離婚」の中に含めるか、「不貞行為・慰謝料」として統合するかを事前に決めておきます。
原則4: カテゴリーとタグの使い分け
WordPressには「カテゴリー」と「タグ」の2つの分類機能があります。混同しやすいので、役割を明確に分けます。
| カテゴリー | タグ | |
|---|---|---|
| 役割 | サイト全体の大分類(本棚の棚) | カテゴリーを横断する小分類(付箋) |
| 階層 | あり(親カテゴリー → 子カテゴリー) | なし(フラット) |
| 記事への設定 | 1記事に1カテゴリー(原則) | 1記事に複数タグ可 |
| 使用例 | 離婚 / 相続 / 債務整理 | 初回相談無料 / 裁判手続き / 費用の目安 |
| SEO効果 | 高い(サイト構造を形成) | 低い(補助的) |
タグは「あると便利」程度のものです。まずカテゴリーをしっかり設計し、タグは必要に応じて後から追加する方針で問題ありません。開業直後はタグを使わなくても支障はありません。
原則5: 親カテゴリー・子カテゴリーは2段階まで
カテゴリーは親子関係を持てますが、2段階(親→子)に収めるのが基本です。3段階以上になると、URLが長くなり、依頼者にとっても分かりにくくなります。
例えば離婚に特化した専門サイトの場合:
- 親カテゴリー: 離婚調停(/rikon-chotei/)
- 子カテゴリー: 調停の費用(/rikon-chotei/hiyou/)
- 子カテゴリー: 調停の進め方(/rikon-chotei/susume-kata/)
ただし、独立直後で記事数が少ない段階では、子カテゴリーは不要です。1つのカテゴリーに20本以上の記事が貯まった段階で、子カテゴリーへの分割を検討してください。
検索データでカテゴリーを決める — 離婚分野の実例
ここでは、キジラクの検索データを使って「どのサブ分野をカテゴリーにすべきか」をデータに基づいて判断する方法を理解します。
カテゴリーを「なんとなく」で決めると、依頼者が実際に検索しているテーマとずれたカテゴリーができてしまいます。検索データを確認すれば、依頼者のニーズが集中しているサブ分野が一目で分かります。
離婚分野のサブ分野別検索ボリューム
離婚分野全体で約12,800キーワード・月間約278万回の検索があります。このデータをサブ分野ごとに分解すると、以下の通りです。
| サブ分野 | 月間検索数 | 全体に占める割合 | 記事テーマの例 |
|---|---|---|---|
| 不貞行為・浮気 | 約52万回 | 18.8% | 不倫の慰謝料、不貞行為の証拠 |
| 離婚調停 | 約30万回 | 10.7% | 離婚調停の流れ、調停の費用 |
| 養育費 | 約26万回 | 9.3% | 養育費の相場、算定表の見方 |
| 協議離婚 | 約13万回 | 4.8% | 協議離婚の進め方、離婚協議書 |
| 財産分与 | 約11万回 | 4.0% | 財産分与の対象、住宅ローン |
| 親権 | 約11万回 | 3.9% | 親権を取るには、面会交流 |
| 慰謝料(離婚) | 約9万回 | 3.3% | 離婚慰謝料の相場、請求手順 |
| 離婚訴訟・裁判 | 約6万回 | 2.0% | 離婚裁判の流れ、費用 |
出典: キジラク(make-article-saas)検索データ / 監修: 花井直哉
データから読み取れるカテゴリー設計のポイント
上位5サブ分野(不貞行為・離婚調停・養育費・協議離婚・財産分与)で全体の約47.6%を占めます。つまり、この5つをカテゴリーにすれば、検索需要の約半分をカバーできます。
データを使ったカテゴリー選定の3つの判断基準
検索ボリュームの表を見て、「上位のものをそのままカテゴリーにすればいい」と思うかもしれませんが、もう少し踏み込んだ判断が必要です。以下の3つの基準で最終決定します。
| 判断基準 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| ①統合すべきか | テーマが重なるサブ分野は統合して1カテゴリーにする | 「不貞行為・浮気」と「慰謝料(離婚)」→「不貞行為・慰謝料」に統合 |
| ②独立させるべきか | ボリュームが少なくても依頼者の悩みとして独立している場合はカテゴリーにする | 「親権」は約11万回と上位ではないが、子どもがいる離婚では最も切実なテーマ |
| ③記事が書けるか | 1カテゴリーに最低5本の記事テーマが思い浮かぶか確認 | 「離婚訴訟」は約6万回だが記事テーマが3本しかない→「離婚調停」と統合 |
数字だけでなく、「そのカテゴリーに記事を5本以上書けるか」と「依頼者の悩みとして独立しているか」の2つを必ず確認してください。ボリュームが大きくても記事が書けなければカテゴリーとして成り立ちませんし、ボリュームが小さくても依頼者の切実な悩みであれば独立カテゴリーにする価値があります。
サンプルサイトの実際のカテゴリー構成
キジラクのサンプルサイト(離婚)では、上記のデータに基づいて以下のカテゴリーを設定しています。
- 不貞行為・慰謝料(統合)
- 離婚調停
- 養育費
- 協議離婚
- 財産分与
- 親権・面会交流
このように、「検索データで需要が高いサブ分野」を軸に、依頼者の悩みの分類と照らし合わせてカテゴリーを決めるのが、データに基づくカテゴリー設計です。
自分の分野で検索データを確認するには
離婚以外の分野でカテゴリーを設計する場合も、同じアプローチが使えます。「ターゲット分野の選定」の記事で紹介した方法で、自分の注力分野のサブ分野別検索ボリュームを確認してください。
例えば相続分野であれば、「遺産分割」「遺言書」「相続放棄」「相続税」「遺留分」といったサブ分野ごとの検索ボリュームを比較し、需要の高いテーマからカテゴリーを設計します。債務整理であれば「自己破産」「任意整理」「個人再生」「過払い金」等がカテゴリー候補になります。
データの確認方法が分からない場合は、Googleキーワードプランナー(無料で使えるGoogleの公式ツール)で大まかな検索ボリュームを確認できます。正確なデータでなくても、「どのサブ分野が最も検索されているか」の傾向が分かれば、カテゴリー設計の判断材料としては十分です。大事なのは「なんとなく」ではなく、何らかのデータを根拠にしてカテゴリーを決めることです。
専門サイトのカテゴリー設計 — まとめ記事と詳細記事の階層構造
ここでは、専門サイト(単一分野に特化したサイト)でのカテゴリー設計と、記事の階層構造を理解します。
専門サイトでは、各カテゴリーの中に「まとめ記事」と「詳細記事」の2層構造を作ります。この構造はSEOでは「トピッククラスター」と呼ばれ、Googleから高い評価を得やすい設計です。このサイトでは「記事グループ」と呼びます。
まとめ記事と詳細記事の役割
| まとめ記事 | 詳細記事 | |
|---|---|---|
| 役割 | カテゴリー全体を俯瞰する包括的な記事 | 個別テーマを深く掘り下げる記事 |
| 文字数の目安 | 5,000〜10,000字 | 2,000〜5,000字 |
| 狙うキーワード | 大きな分類(「離婚調停」等) | 具体的なテーマ(「離婚調停 費用」等) |
| 記事数 | 1カテゴリーに1本 | 1カテゴリーに5〜15本 |
| 作成順序 | 先に構成だけ決めておく | まとめ記事の構成に沿って順次作成 |
離婚調停カテゴリーの記事グループ例
「離婚調停」カテゴリーの場合、以下のような記事グループを構成します。
まとめ記事:「離婚調停の全体ガイド — 流れ・費用・期間を分かりやすく解説」
↓ このまとめ記事から、以下の詳細記事にリンク
- 詳細記事①: 離婚調停の流れと期間 — 申立てから成立まで
- 詳細記事②: 離婚調停の費用 — 弁護士費用と裁判所の費用
- 詳細記事③: 離婚調停でやってはいけないこと — 調停委員の心証を悪くする行動
- 詳細記事④: 離婚調停が不成立になったら — 次のステップ
- 詳細記事⑤: 離婚調停を弁護士に依頼するメリット
内部リンクの設計ルール
まとめ記事と詳細記事を内部リンクで結ぶことで、記事グループとしての効果が発揮されます。以下の3つのルールを守ってください。
- まとめ記事 → 各詳細記事へのリンク — まとめ記事の本文中で、各テーマを紹介するときに該当の詳細記事へリンクを設置する
- 詳細記事 → まとめ記事へのリンク — 各詳細記事の冒頭または末尾に「離婚調停の全体ガイドはこちら」のようなリンクを設置する
- リンクのテキストにキーワードを含める — 「こちら」「詳しくはこちら」ではなく、「離婚調停の費用について詳しくはこちら」のように、リンク先の内容が分かるテキストにする
この相互リンク構造によって、Googleは「これらの記事は離婚調停というテーマでまとまったグループだ」と認識します。結果として、離婚調停に関連する検索全般でサイトの記事が上位表示されやすくなります。
注意点: リンクはグループ内に集中させる
内部リンクは、同じカテゴリー(記事グループ)内の記事同士を中心に設計します。異なるカテゴリーの記事への内部リンクも設置できますが、まずは同一カテゴリー内のリンクを充実させることを優先してください。
グループ外へのリンクが多すぎると、Googleに「このカテゴリーのテーマが何か」が伝わりにくくなります。
記事グループ設計のよくある失敗
- まとめ記事が短すぎる — まとめ記事は各詳細記事のテーマを網羅的に紹介する記事です。1,000字程度では全体像を伝えられません。5,000字以上を目安に、各テーマの概要を記載してください
- 詳細記事からまとめ記事へのリンクがない — 片方向のリンクだけでは記事グループとして認識されにくくなります。必ず双方向のリンクを設計してください
- リンクのテキストが「こちら」だけ — 「離婚調停の費用について詳しくはこちら」のように、リンク先の内容が分かるテキストにすることで、Googleがリンク先の内容を正しく理解できます
- 関連性の低い記事をグループに含める — 記事グループはテーマの一貫性が重要です。関連性が低い記事を含めると、グループ全体のテーマがぼやけます
事務所サイトのカテゴリー設計 — 取扱分野がそのままカテゴリーに
ここでは、事務所サイト(複数分野を扱うサイト)でのカテゴリー設計と、段階的な拡張方法を理解します。
「専門サイト vs 事務所サイト」の記事で解説したとおり、段階的構築モデルでは、まず事務所サイトで複数分野をカバーし、得意分野が固まったら専門サイトを追加します。事務所サイトのカテゴリー設計は、この段階的な拡張を見据えて行います。
事務所サイトのカテゴリー設計例
事務所サイトでは、取扱分野がそのままカテゴリーになります。
| カテゴリー(=取扱分野) | 記事テーマの例 | 想定記事数 |
|---|---|---|
| 離婚 | 離婚調停の流れ / 養育費の相場 / 財産分与の対象 | 10〜20本 |
| 相続 | 遺産分割の手続き / 遺言書の書き方 / 相続放棄の方法 | 10〜20本 |
| 債務整理 | 債務整理の方法 / 自己破産のデメリット / 任意整理の費用 | 10〜20本 |
事務所サイトの段階では、各分野のサブ分野(離婚の中の「離婚調停」「養育費」等)は子カテゴリーにせず、記事で対応します。分野あたりの記事数がまだ少ない段階で子カテゴリーを作ると、中身が空っぽのカテゴリーが増えるだけです。
段階的構築モデルでのカテゴリー拡張
事務所サイトで記事を積み上げていくと、ある分野の記事が特に多くなることがあります。例えば離婚の記事が20本を超えたら、以下の2つの選択肢があります。
- 事務所サイト内で子カテゴリーを追加 — 「離婚」カテゴリーの中に「離婚調停」「養育費」等の子カテゴリーを作る。手軽だが、事務所サイトとしてのURL構造が複雑になる
- 専門サイトを追加する — 「ターゲット分野の選定」の記事で検討した分野で専門サイトを立ち上げ、サブ分野をカテゴリーとして再編する。集客効果は高いが、サイトをもう1つ運用する負担が増える
「専門サイト vs 事務所サイト」の記事で解説した段階的構築モデルでは、②の専門サイト追加が推奨されます。ただし、これは記事が十分に貯まった後の話です。独立3ヶ月前の今は、まず事務所サイトのカテゴリーを設計し、記事を書き始めることに集中してください。
事務所サイトから専門サイトへの拡張シナリオ
具体的にどのタイミングで拡張するかの目安を示します。
| 時期 | サイトの状態 | カテゴリーの対応 |
|---|---|---|
| 開業直後 | 事務所サイトのみ。記事0〜5本 | 取扱分野をカテゴリーに(離婚・相続・債務整理等) |
| 開業6ヶ月 | 記事15〜20本。特定分野の記事が増えてきた | 記事の多い分野の子カテゴリーを検討 |
| 開業1年〜 | 特定分野の記事が20本超。専門サイト追加を検討 | 専門サイトでサブ分野をカテゴリーに再編。事務所サイトのカテゴリーはそのまま残す |
事務所サイトのカテゴリーは、専門サイトを追加した後もそのまま残します。事務所サイトは「この事務所の全体像」を伝える役割があり、専門サイトは「特定分野の深い情報」を提供する役割です。両者は補完関係にあります。
WordPressでカテゴリーを設定する手順
ここでは、WordPressの管理画面でカテゴリーを作成する具体的な手順を理解します。
カテゴリーの作成手順
- ダッシュボード → 投稿 → カテゴリーを開く
- 「新規カテゴリーを追加」にカテゴリー名を入力する(例:「離婚」「相続」「債務整理」)
- スラッグ(URLに使われる文字列)を設定する(後述のルールに従う)
- 子カテゴリーの場合は「親カテゴリー」を選択する
- 「新規カテゴリーを追加」ボタンをクリックする
URLスラッグの設計ルール
カテゴリーのスラッグ(URLに表示される文字列)は、サイト運用中に変更するとURLが変わってしまうため、最初に慎重に決めます。
| 表記方法 | スラッグ例 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ローマ字 | /rikon/ | 日本語の読みと一致して分かりやすい | 長い分野名だとURLが長くなる |
| 英語 | /divorce/ | 国際標準でURLが美しい | 依頼者がURLを見て内容を推測しにくい |
| 日本語 | /離婚/ | 日本語話者には直感的 | URLがエンコードされて長くなる(%E9%9B%A2…)。SNS共有時に見た目が悪い |
おすすめは「ローマ字」です。依頼者がURLを見たときに内容を推測でき、エンコードの問題も起きません。英語でも問題ありませんが、法律用語の英語は一般の依頼者には馴染みが薄いため、ローマ字の方が無難です。
パーマリンク設定でカテゴリーをURLに含める
WordPressの「設定 → パーマリンク」で、記事のURLにカテゴリー名を含める設定ができます。
- カテゴリーを含める場合:
example.com/rikon/chouting-no-nagare/— サイト構造が分かりやすい - 含めない場合:
example.com/chouting-no-nagare/— URLがシンプル。カテゴリー変更時にURLが変わらない
将来カテゴリーを再編する可能性を考えると、パーマリンクにカテゴリーを含めない設定(投稿名のみ)が安全です。カテゴリーを変更するたびにURLが変わると、Googleの評価がリセットされるリスクがあります。
WordPressでのカテゴリー設定で注意すべき点
- 「未分類」カテゴリーを放置しない — WordPressには初期設定で「未分類」カテゴリーが存在します。記事を書く際にカテゴリーを選び忘れると「未分類」に入ります。「未分類」はSEO効果がゼロなので、初期設定のカテゴリーを自分の分野名に変更しておきましょう
- カテゴリーの説明文を入力する — カテゴリー作成画面に「説明」欄があります。テーマによってはカテゴリーページにこの説明文が表示されます。「離婚に関する記事をまとめています。離婚調停・養育費・財産分与など、離婚で悩む方に役立つ情報を掲載しています」のように、依頼者向けの説明を入力しておくと、カテゴリーページ自体の検索評価にも寄与します
- カテゴリーの順序 — WordPressの標準機能ではカテゴリーの表示順序を指定できません。メニュー(ナビゲーション)にカテゴリーを追加する場合は、「外観 → メニュー」からドラッグ&ドロップで順序を調整します
記事が少ない段階のカテゴリー戦略
ここでは、独立直後で記事数が少ない段階(0〜15本程度)のカテゴリー設計の考え方を理解します。
競合サイトのカテゴリー設計に関する解説は、すでに50本〜100本の記事があるサイトを前提にしていることが多く、独立直後の弁護士サイトにはそのまま当てはまりません。記事が少ない段階には、少ない段階なりの戦略があります。
段階別のカテゴリー戦略
| 段階 | 記事数 | カテゴリー数 | やるべきこと |
|---|---|---|---|
| 開業準備中 | 0本 | 2〜3個 | カテゴリーの「箱」だけ作り、記事テーマのリストを準備する |
| 開業直後 | 1〜5本 | 2〜3個 | まとめ記事を先に公開し、詳細記事を月2〜3本ペースで追加 |
| 開業3ヶ月 | 5〜15本 | 3〜4個 | 各カテゴリーに5本以上入ったら、記事グループとして機能し始める |
| 開業6ヶ月〜 | 15本超 | 4〜5個 | 新たなカテゴリーの追加を検討。記事の多い分野の子カテゴリーを検討 |
まとめ記事を「先に」作る
一般的には「詳細記事を書き溜めてから、まとめ記事を作る」という順序が紹介されることが多いのですが、独立弁護士の場合はまとめ記事を先に作る方が効果的です。
理由は以下のとおりです。
- まとめ記事があることで、今後書くべき詳細記事のリストが自然にできあがる。書くテーマに迷わなくなる
- 依頼者がサイトを訪れたとき、まだ記事が少なくても「この分野の全体像」が分かる記事が1本あるだけで信頼感が違う
- 詳細記事を追加するたびに、まとめ記事からリンクを追加するだけで記事グループが拡張される
まとめ記事は最初から完璧でなくて構いません。基本的な情報を掲載し、詳細記事が増えるたびに内部リンクを追加して充実させていきます。
月2〜3本ペースの場合のカテゴリー成熟の目安
月に2〜3本の記事を書く場合、1つのカテゴリーが「記事グループとして機能する状態」(まとめ記事1本+詳細記事5本以上)になるまでに約2〜3ヶ月かかります。
3カテゴリーを同時に育てると、各カテゴリーの成熟に約6〜9ヶ月かかる計算です。記事が少ない間は、まず1つのカテゴリー(最も注力する分野)に記事を集中させ、そのカテゴリーを先に成熟させる方が、早く集客効果が表れます。
具体例: 離婚に注力する事務所の最初の3ヶ月
独立時に離婚・相続・債務整理の3カテゴリーで事務所サイトを構築し、月3本ペースで記事を書く場合のモデルケースを示します。
| 月 | 書く記事 | カテゴリーの状態 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 離婚まとめ記事 / 離婚調停の流れ / 養育費の相場 | 離婚: 3本(まとめ1+詳細2)。相続・債務整理: 0本 |
| 2ヶ月目 | 財産分与の対象 / 親権を取るには / 相続まとめ記事 | 離婚: 5本(まとめ1+詳細4)→ 記事グループとして機能開始。相続: 1本 |
| 3ヶ月目 | 協議離婚の進め方 / 遺産分割の手続き / 債務整理まとめ記事 | 離婚: 6本。相続: 2本。債務整理: 1本 |
このように最も注力する分野から記事を集中させることで、2ヶ月目には最初の記事グループが機能し始めます。全カテゴリーに均等に記事を配分すると、どのカテゴリーも成熟しない状態が続いてしまいます。「ターゲット分野の選定」の記事で決めた注力分野から優先的に記事を書いていきましょう。
カテゴリー再整理の判断基準
ここでは、既存のカテゴリーを見直すべきタイミングと、再整理の具体的な手順を理解します。開業から半年〜1年後に必要になることが多い内容です。
再整理が必要なサイン
- 1つのカテゴリーに20本以上の記事が入っている — 子カテゴリーに分割して整理する
- どのカテゴリーにも入らない記事がある — 新しいカテゴリーを作るか、記事の方向性を見直す
- 「お知らせ」「コラム」カテゴリーに大量の記事がある — 内容に応じて分野別カテゴリーに再分類する
- 1つの記事を複数カテゴリーに入れている — カテゴリーの境界が曖昧な証拠。カテゴリー定義を見直す
- カテゴリーに1〜2本しか記事がない状態が半年以上続いている — そのカテゴリーは不要。他のカテゴリーに統合する
再整理の手順
- 棚卸し — 全記事とそのカテゴリーをスプレッドシートに書き出す
- 新カテゴリーの設計 — 本記事の5原則に照らして新しいカテゴリー構成を決める
- 記事の移動 — 各記事を新カテゴリーに再分類する
- 内部リンクの再設定 — まとめ記事と詳細記事のリンクを新カテゴリーに合わせて修正する
- リダイレクト設定 — パーマリンクにカテゴリーを含めている場合、旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定する。これを忘れると、Googleからの評価がリセットされる
低品質記事の対処
カテゴリーを再整理する際に、内容が薄い記事や古くて情報が不正確な記事が見つかることがあります。これらの記事は以下のいずれかで対処します。
| 対処方法 | どんな場合に使うか | 手順 |
|---|---|---|
| リライト(書き直し) | テーマ自体は有効だが内容が古い・薄い | 最新情報に更新し、文字数・具体例を充実させる |
| noindex設定 | テーマの需要が低い・リライトするほどの価値がない | 記事は残すが検索結果に表示されない設定にする。サイト全体の品質評価が改善される |
| 統合 | テーマが近い2〜3本の記事がある | 1本にまとめ、残りの記事からはまとめた記事へ301リダイレクトを設定する |
最も推奨されるのはリライトです。一度Googleに評価された記事は、内容を更新するだけで再評価されます。ゼロから新しい記事を書くよりも、既存記事を改善する方が効率的です。
再整理でやってはいけないこと
- URLを変更してリダイレクトを設定しない — Googleからの評価がゼロにリセットされます。URLを変更する場合は必ず301リダイレクトを設定してください
- 一度に大量のカテゴリーを変更する — Googleがサイト構造の変更を認識するまでに時間がかかります。段階的に変更するのが安全です
- 記事を削除する — 削除よりもnoindex設定や統合の方が安全です。削除するとGoogleが「このページは存在しない」と判断し、関連するリンクの評価も失われます
カテゴリー設計チェックリスト
ここまでの内容を実行に移すためのチェックリストです。独立3ヶ月前の段階で、以下の項目を確認してください。
カテゴリー設計の確認項目
- カテゴリー数は3〜7個の範囲に収まっているか
- 各カテゴリー名に、依頼者が検索する言葉を含めたか
- カテゴリー同士のテーマが重複していないか(1記事1カテゴリーで分類できるか)
- 各カテゴリーに最低3本以上の記事テーマを思い浮かべられるか
- 「お知らせ」「コラム」等の曖昧なカテゴリーを作っていないか
- まとめ記事のテーマを決めたか(各カテゴリーに1本ずつ)
- URLスラッグをローマ字(または英語)で設定したか
- 段階的構築を見据えた拡張の方針があるか(事務所サイト→専門サイト)
まとめ・次のステップ
カテゴリー設計で押さえるべきポイントを振り返ります。
- カテゴリーで記事を整理することで、依頼者の利便性とGoogleからの評価が同時に向上する
- カテゴリー設計の5原則: 3〜7個・キーワード含有・排他性・タグとの使い分け・2段階まで
- カテゴリーは「なんとなく」ではなく検索データに基づいて決める。需要が高いサブ分野をカテゴリーに
- まとめ記事+詳細記事の記事グループ構造でSEO効果を最大化する
- 独立直後は2〜3カテゴリーで十分。まとめ記事を先に作り、詳細記事を追加して拡張する
- URLスラッグは最初に慎重に決める(後から変更するとSEO評価がリセットされるリスク)
カテゴリーが決まり、サイトの骨格が完成しました。次は、各カテゴリーにどんなテーマの記事を書いていくかを決めるコンテンツ戦略に入ります。「コンテンツ戦略」の記事で、記事テーマの選定方法と効果的な書き方を解説します。