弁護士がSEO業者を選ぶときに確認すべき5つのチェック項目

「御所のサイトを上位表示させます」という営業の電話やメールが来ます。月額5万円、10万円、20万円と金額はさまざまです。しかし、SEOの知識がなければ、その提案が妥当なのか、高いのか安いのか、そもそも効果があるのかを判断できません。独立・開業直後で集客基盤を早く作りたい焦りがあると、なおさら冷静に判断しにくくなります。

この記事では、SEO業者の提案を受けたときに確認すべき5つのチェック項目を整理します。すべての項目を満たす業者が必ずしも優良とは限りませんが、1つでも明確に答えられない業者は避けるべきです。契約する前の判断材料として使ってください。

SEO業者の提案で最初に確認すること — 順位保証の意味

SEO業者の提案でまず確認すべきは、「順位を保証する」という表現があるかどうかです。

Googleは公式に次のように述べています。「Google でのランキングを保証することは誰にもできません」。検索順位はGoogleのアルゴリズムによって決定されるものであり、SEO業者がGoogleの中の人でない以上、特定の順位を確約することは原理的に不可能です。

にもかかわらず「1位にします」「3位以内を保証します」と言う業者がいます。この場合、次のいずれかに該当します。

  • 検索ボリュームが極めて少ないキーワードで「1位」を取る。「○○法律事務所 離婚相談 無料 夜間対応」のような、誰も検索しないキーワードで1位を取っても集客にはつながりません
  • 短期的に順位が上がるがペナルティを受けるリスクがある手法を使う。Googleのガイドラインに違反するリンク構築(被リンクの購入など)は、発覚した場合に検索結果から除外されるリスクがあります
  • 成果報酬型で「順位が上がらなければ無料」と見せかけて、別の名目で費用を請求する。初期設定費用、コンテンツ制作費用、ツール利用料などが別途かかる契約になっています

順位保証について聞いたときに、「Googleの仕組み上、順位の保証はできません。ただし、○○の施策によって順位が上がる可能性を高めることはできます」と正直に説明する業者のほうが信頼できます。

チェック1 具体的な施策内容を説明できるか

「SEO対策をします」「上位表示させます」という抽象的な説明しかない業者は避けるべきです。何をするのかを具体的に説明できるかどうかが、最初のチェック項目になります。

SEO対策の施策は、大きく分けると次の4種類に分類されます。

施策の種類 内容の例
内部施策(テクニカルSEO) サイトの表示速度改善、モバイル対応、構造化データの設定、サイトマップの整備、内部リンクの最適化
コンテンツ施策 記事の企画・執筆、既存ページのリライト、キーワード調査
外部施策 被リンクの獲得(ただしGoogleのガイドラインに沿った方法に限る)
ローカルSEO Googleビジネスプロフィールの最適化、口コミへの対応

業者に確認すべき質問は次のとおりです。

  • 「契約期間中に、具体的にどの施策を行うのか」
  • 「毎月の作業内容はどのようなものか」
  • 「記事の制作は含まれるか。含まれる場合、月に何本か」
  • 「技術的な修正(表示速度改善など)は含まれるか」

これらの質問に対して、「総合的にSEO対策を行います」「状況を見て判断します」としか答えない業者は、施策の実態がない可能性があります。月額費用を払っているのにレポートが届くだけで、実際の作業はほとんど行われないというケースは少なくありません。

確認のポイント

  • 提案書や見積書に、施策内容が具体的に記載されているか
  • 月ごとの作業計画が示されているか
  • 成果物(記事、レポート、修正箇所のリストなど)が明確に定義されているか

チェック2 弁護士サイトの実績があるか

SEO対策は業種によってアプローチが異なります。弁護士サイトには、一般的なウェブサイトとは異なる事情があります。

  • 広告規制がある。弁護士の業務広告には日本弁護士連合会の規程による制限があります。「勝訴率○○%」「絶対に解決します」のような表現は使えません。SEO業者がこの制限を知らずに記事を書くと、規程に抵触するリスクがあります
  • YMYL(Your Money or Your Life)領域に該当する。Googleは、人の生活や財産に影響を与える分野のコンテンツに対して、特に高い品質基準を適用しています。法律相談に関するコンテンツはこれに該当するため、一般的なSEOの手法だけでは不十分な場合があります
  • 地域性が強い。弁護士への相談は、対面で行うことが前提になる場合が多いです。全国向けのキーワードではなく、地域名を含むキーワードでの対策が重要になります

業者に確認すべき質問は次のとおりです。

  • 「弁護士事務所のSEO対策を行った実績はあるか」
  • 「弁護士の広告規制を理解しているか」
  • 「法律関連のコンテンツを制作した経験はあるか」

弁護士サイトの実績がない業者が必ずしもダメというわけではありません。しかし、実績がある業者のほうが、弁護士特有の事情を理解したうえで施策を進められるため、無用なトラブルを避けやすいです。

実績の確認方法として、次のことを聞くとよいです。

  • 具体的にどの事務所のサイトを担当したか(守秘義務がある場合は業種と規模だけでもよい)
  • そのサイトでどのような成果が出たか(順位・アクセス数・問い合わせ数の変化)
  • 担当期間はどのくらいだったか

チェック3 レポートの内容と頻度

SEO対策は、施策を実施したあとに効果を測定し、改善を繰り返すプロセスです。そのため、何を測定して、どのように報告するかが契約前に明確になっている必要があります。

レポートについて確認すべきポイントは次の3つです。

1. レポートの頻度

月に1回の報告が最低限の基準です。四半期に1回しかレポートが届かない場合、3か月間何が行われたのか把握できず、問題があっても対処が遅れます。

2. レポートに含まれる指標

以下の指標がレポートに含まれているかを確認します。

指標 見るべきポイント
検索順位の推移 狙っているキーワードごとの順位が、前月と比べてどう変化したか
オーガニック検索からのアクセス数 検索経由のアクセスが増えているか。広告経由と区別されているか
インデックス数 Googleに登録されているページの数が増えているか
実施した施策の内容 その月に具体的に何をしたかの記載があるか
次月の計画 翌月に何をするかの計画が含まれているか

3. レポートの読み方を説明してくれるか

数字を並べたレポートを送るだけで、その意味を説明しない業者がいます。「今月の順位はこうなりました」だけではなく、「なぜこうなったのか」「次にどう対処するのか」を説明できるかどうかが、業者の質を判断する材料になります。

理想的なのは、月に1回、30分〜1時間程度のオンラインミーティングでレポートの説明を受けられる形です。メールでレポートを送るだけの業者は、施策の内容を議論する機会がなく、問題の発見と対処が遅れやすくなります。

チェック4 契約期間と解約条件

SEO対策は効果が出るまでに時間がかかるため、ある程度の契約期間は必要になります。しかし、契約期間が長すぎる場合や、解約条件が不利な場合は注意が必要です。

契約条件について確認すべきポイントは次のとおりです。

契約期間の相場

契約期間 評価
6か月 妥当。効果を見極めるための最低限の期間です
12か月 一般的。中長期的な施策には合理的な長さです
24か月以上 長すぎます。効果が出ない場合に身動きが取れなくなるリスクがあります
月ごと(いつでも解約可) 柔軟ですが、業者側が短期的な成果に走りやすい面もあります

確認すべき解約条件

  • 中途解約の可否。「1年契約で途中解約不可」の場合、効果が出なくても12か月間費用を払い続ける必要があります
  • 解約時の違約金。残月数分の費用を一括で請求される契約になっていないか確認します
  • 解約の申し出期限。「解約希望の2か月前までに書面で通知」のような条件がある場合、タイミングを逃すと自動更新されます
  • 成果物の帰属。業者が制作した記事やコンテンツが、解約後も自分のサイトに残るのか、削除されるのかを確認します

特に注意すべきなのは成果物の帰属です。SEO業者が作成した記事について「著作権は弊社に帰属する」とされている契約の場合、解約後に記事を削除しなければならない可能性があります。それまでに蓄積したコンテンツがすべて失われるリスクがあります。

契約前に、次の質問を必ず行ってください。

  • 「中途解約はできるか。違約金は発生するか」
  • 「解約後、制作した記事やコンテンツはこちらのサイトに残るか」
  • 「自動更新の条件はどうなっているか」

チェック5 料金体系と費用に含まれる範囲

SEO業者の料金体系は業者によって大きく異なります。月額費用に何が含まれていて、何が別料金なのかを明確にしておかないと、契約後に想定外の費用が発生します。

SEO業者の一般的な料金体系は次の3つに大別されます。

料金体系 仕組み 注意点
月額固定型 毎月一定の費用を支払う 施策内容が不明確な場合、費用に見合う作業がされているか確認しにくい
成果報酬型 順位が上がったら費用が発生する どのキーワードで何位以上を成果とするかの定義が重要。成果の定義が曖昧だとトラブルになります
プロジェクト型 初期のサイト改修など、一定の作業を一括で発注する 月額費用は不要ですが、継続的な改善は自分で行う必要があります

どの料金体系であっても、以下の項目が費用に含まれるかどうかを事前に確認します。

  • キーワード調査。狙うキーワードの選定と優先順位付けは含まれるか
  • 記事の制作。月に何本の記事が含まれるか。1本あたりの文字数の目安はあるか
  • テクニカルSEO。表示速度改善、構造化データの設定などの技術的な作業は含まれるか
  • レポート作成。月次レポートは費用に含まれるか。別料金ではないか
  • ミーティング。月例報告会は含まれるか。オンラインか対面か

料金が相場に比べて極端に安い場合は、何かが省かれている可能性があります。たとえば「月額3万円でSEO対策」と謳いながら、実態はレポートを送るだけで、施策の実施は別料金という業者も存在します。

反対に、高額であれば質が高いとも限りません。月額30万円を払っていても、施策の内容が不明確で成果が出ていないケースもあります。重要なのは金額ではなく、費用に対して何がどのくらいの量と質で提供されるかが明確になっていることです。

まとめ

SEO業者を選ぶときに確認すべき5つのチェック項目をまとめると、次のとおりです。

  • チェック1: 施策内容の具体性。月ごとの作業内容と成果物が明確に定義されているか
  • チェック2: 弁護士サイトの実績。法律分野の広告規制やYMYL領域の特性を理解しているか
  • チェック3: レポートの内容と頻度。月1回以上のレポートに、順位・アクセス・施策内容が含まれているか
  • チェック4: 契約期間と解約条件。中途解約の可否、違約金、成果物の帰属が明確か
  • チェック5: 料金と含まれる範囲。月額費用に何が含まれ、何が別料金かが明示されているか

加えて、最初に確認すべきは「順位保証」の有無です。Googleの検索順位は誰にも保証できません。この事実を正直に説明できるかどうかが、業者の信頼性を測る最も基本的な判断材料になります。5つのチェック項目を提案書や契約書と照らし合わせて、契約前に必ず確認してください。

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