弁護士のサイトでE-E-A-Tを高めるための著者情報と構造化データの設定方法

SEOについて調べていると、「E-E-A-T」という用語に出くわします。重要だということは分かるものの、弁護士のサイトで具体的に何をすればよいのかが書かれている情報は少ないです。プロフィールを載せればよいのか、何か技術的な設定が必要なのか、手の付けどころが分からないという方も多いのではないでしょうか。独立・開業にあたってサイトを立ち上げる段階で押さえておくと、あとから修正する手間を省けます。

この記事では、E-E-A-Tの意味を弁護士の視点で解説したうえで、実際にサイトに施すべき3つの施策(著者情報の載せ方、監修表示の書き方、構造化データの設定)を具体的な手順で説明します。コードの例も示すので、制作会社への依頼にそのまま使えます。

E-E-A-Tとは何か — 弁護士サイトで特に重要な理由

E-E-A-Tは、Googleが検索結果の品質を評価する際に使う4つの基準の頭文字です。

略称 英語 意味
E Experience 経験 — そのテーマについて実体験があるか
E Expertise 専門性 — そのテーマについての知識や技能があるか
A Authoritativeness 権威性 — その分野で信頼される存在として認知されているか
T Trustworthiness 信頼性 — サイトやコンテンツが信頼できるか

もともとは「E-A-T」(3要素)でしたが、2022年12月にGoogleが品質評価ガイドラインを更新し、「Experience(経験)」が追加されてE-E-A-Tになりました。

弁護士サイトで特に重要な理由

Googleは、コンテンツの分野によって求めるE-E-A-Tの水準を変えています。特に高い水準が求められるのがYMYL(Your Money or Your Life)に該当する分野です。YMYLとは、人の健康、安全、財政、法的権利に影響を与える可能性があるコンテンツのことです。

弁護士のサイトに掲載される法律情報は、まさにYMYL領域に該当します。離婚の手続き、相続の権利、債務整理の方法——これらの情報が不正確であれば、読者の生活に重大な影響を与えかねません。そのため、Googleは法律関連のコンテンツに対して、特に厳しい品質基準を適用しています。

E-E-A-Tは直接的なランキング要因ではないとGoogleは述べています。しかし、品質評価者がコンテンツを評価する際の基準として使われており、検索結果の品質に間接的に影響しています。弁護士のサイトでは、この4つの要素をサイト上で明示的に示すことが重要です。

弁護士は、そもそもE-E-A-Tの要件を満たしやすい立場にあります。法律の資格を持ち、実務経験があり、弁護士会に所属しています。問題は、それがサイト上で伝わっていないことです。以下の施策は、すでに持っている信頼性をGoogleと読者の両方に伝えるためのものです。

著者情報の載せ方 — プロフィールページと記事の紐付け

E-E-A-Tを高める最も基本的な施策は、記事の著者が誰であるかを明示することです。

プロフィールページを作る

サイト内に弁護士個人のプロフィールページを設けます。このページには、以下の情報を掲載します。

項目 記載内容の例 なぜ必要か
氏名 (フルネーム) 著者の特定
顔写真 ビジネス用の写真 実在する人物であることの証明
弁護士登録番号 第○○号 弁護士資格の証明
所属弁護士会 ○○弁護士会 公的な所属の証明
経歴 学歴・職歴・弁護士登録年 専門性と経験の裏付け
取扱分野 離婚・相続・交通事故など どの分野で経験があるかの明示
実績の概要 取扱件数の目安・活動歴 経験の量の裏付け
外部リンク 所属弁護士会の会員検索ページへのリンク 第三者による資格確認の手段

弁護士会の会員検索ページにリンクを張ることで、読者が弁護士の資格を第三者情報で確認できるようになります。これは信頼性の証明として非常に有効です。

記事とプロフィールページを紐付ける

プロフィールページを作っただけでは不十分です。各記事の中で、著者がそのプロフィールページの人物であることを示す必要があります。

具体的には、各記事に次の要素を追加します。

  • 記事の冒頭または末尾に著者名を表示する。「執筆者: ○○(弁護士・○○弁護士会所属)」のように表示します
  • 著者名からプロフィールページへのリンクを張る。読者がクリックすれば、著者の詳細な経歴を確認できます
  • 著者の顔写真を小さく表示する。記事に顔写真があると、人間が書いたコンテンツであることが視覚的に伝わります

WordPressを使っている場合、投稿者のプロフィール設定で経歴を入力し、テーマの著者情報表示機能を有効にすることで、各記事に自動的に著者情報が表示される設定にできます。テーマによっては標準機能で対応できないため、その場合は制作会社にカスタマイズを依頼します。

監修表示の書き方 — 弁護士名・登録番号・所属弁護士会

記事の執筆者と監修者が異なる場合は、監修者を明示することでE-E-A-Tを高められます。たとえば、事務所のスタッフやライターが下書きを作成し、弁護士が内容を確認・監修するケースです。

監修表示に含めるべき情報

監修者として表示する情報は、著者情報と同様に具体的であるほうがよいです。最低限、以下の3点を含めます。

  • 弁護士名(フルネーム)
  • 弁護士登録番号
  • 所属弁護士会

監修表示のHTMLの例

記事の末尾に次のような監修表示を入れます。

表示例:

項目 内容
監修 弁護士 ○○ ○○
登録番号 第○○号
所属 ○○弁護士会
経歴 ○○年弁護士登録。○○を中心に取り扱う

HTMLでの記述例は次のとおりです。

<div class=”supervisor-info”>

<h3>この記事の監修</h3>

<p><strong>弁護士 ○○ ○○</strong>(○○弁護士会所属・登録番号第○○号)</p>

<p>○○年弁護士登録。離婚・相続を中心に年間○○件以上の相談に対応。</p>

</div>

「監修」と「執筆」の使い分け

記事を弁護士本人が書いた場合は「執筆」、スタッフやライターが書いて弁護士が内容を確認した場合は「監修」と表記します。Googleの品質評価ガイドラインでは、コンテンツの責任者が誰であるかが重視されています。実態と異なる表示は避けてください。

監修表示の配置場所

監修表示は、記事の冒頭末尾の両方に配置するのが理想です。冒頭に置くことで、読者が記事を読み始める前に「弁護士が監修している」ことが伝わります。末尾に置くことで、読み終わった読者が監修者の情報を確認し、信頼性を判断できます。

少なくとも一方には配置します。どちらか一方であれば、末尾のほうが一般的です。

監修の実態を伴うこと

名前を載せるだけで内容を確認していない「名義貸し」は避けるべきです。Googleは名義貸しの監修を問題視しており、品質評価ガイドラインでも実質的な関与があるかどうかを評価基準に含めています。弁護士が実際に記事の内容を読み、法的な正確性を確認したうえで監修者として名前を載せてください。

構造化データの設定 — Person schemaとLegalService schema

構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で記述したデータです。HTMLの中にJSON-LD形式で埋め込むことで、Googleがサイトの情報を正確に認識できるようになります。

弁護士サイトで設定すべき構造化データは、主に2つです。

1. Person schema — 弁護士個人の情報

弁護士のプロフィールページに、Person schemaを設定します。これにより、Googleがその人物の情報(名前、所属、資格など)を構造的に理解できるようになります。

記述するプロパティは次のとおりです。

プロパティ 意味 値の例
@type データの種類 Person
name 氏名 ○○ ○○
jobTitle 職業・肩書 弁護士
url プロフィールページのURL https://example.com/lawyer/
image 顔写真のURL https://example.com/photo.jpg
worksFor 所属する組織 ○○法律事務所
memberOf 所属団体 ○○弁護士会
sameAs 外部プロフィール 弁護士会の会員検索ページのURL

JSON-LDでの記述例は次のとおりです。制作会社に依頼する場合、この形式をそのまま渡せばよいです。

<script type=”application/ld+json”>

{

“@context”: “https://schema.org”,

“@type”: “Person”,

“name”: “○○ ○○”,

“jobTitle”: “弁護士”,

“url”: “https://example.com/lawyer/”,

“image”: “https://example.com/photo.jpg”,

“worksFor”: {

“@type”: “LegalService”,

“name”: “○○法律事務所”

},

“memberOf”: {

“@type”: “Organization”,

“name”: “○○弁護士会”

},

“sameAs”: [“https://www.bengoshikai.jp/member/○○”]

}

</script>

2. LegalService schema — 法律事務所の情報

事務所のトップページまたは事務所概要ページに、LegalService schemaを設定します。これにより、Googleがその事務所を法律サービスの提供者として認識します。

記述するプロパティは次のとおりです。

プロパティ 意味 値の例
@type データの種類 LegalService
name 事務所名 ○○法律事務所
url 事務所サイトのURL https://example.com/
telephone 電話番号 03-XXXX-XXXX
address 所在地 東京都○○区○○
areaServed 対応地域 東京都、神奈川県
openingHours 営業時間 Mo-Fr 09:00-18:00
priceRange 料金の目安 初回相談無料

JSON-LDでの記述例は次のとおりです。

<script type=”application/ld+json”>

{

“@context”: “https://schema.org”,

“@type”: “LegalService”,

“name”: “○○法律事務所”,

“url”: “https://example.com/”,

“telephone”: “03-XXXX-XXXX”,

“address”: {

“@type”: “PostalAddress”,

“streetAddress”: “○○区○○1-2-3”,

“addressLocality”: “○○市”,

“addressRegion”: “東京都”,

“postalCode”: “100-0001”,

“addressCountry”: “JP”

},

“areaServed”: [“東京都”, “神奈川県”],

“openingHours”: “Mo-Fr 09:00-18:00”,

“priceRange”: “初回相談無料”

}

</script>

設定後の確認方法

構造化データを設定したあとは、Googleのリッチリザルトテスト(https://search.google.com/test/rich-results)でエラーがないか確認します。URLを入力すると、構造化データが正しく設定されているかどうかを検証できます。エラーが表示された場合は、修正が必要です。

また、Search Consoleの「拡張」セクションでも構造化データの状態を確認できます。エラーや警告がある場合はここに表示されます。

WordPressでの設定方法

WordPressを使っている場合、構造化データを手動でHTMLに書く以外に、プラグインを使う方法もあります。

  • Yoast SEO: 組織情報やPerson schemaの基本的な設定が可能です
  • Rank Math: LegalServiceを含む詳細な構造化データの設定が可能です
  • Schema Pro: 構造化データに特化したプラグインです。LegalServiceにも対応しています

プラグインを使えばコードを書かずに設定できますが、LegalServiceのような特殊なスキーマはプラグインの標準機能で対応していない場合があります。その場合は、テーマのheader.phpにJSON-LDを直接記述するか、制作会社に依頼してください。

まとめ

E-E-A-Tは「経験・専門性・権威性・信頼性」の4要素であり、弁護士サイトはYMYL領域に該当するため、特に高い水準が求められます。弁護士はもともとこの4要素を満たしやすい立場にありますが、サイト上でそれを明示しなければGoogleにも読者にも伝わりません。

対策は3つです。第一に、弁護士のプロフィールページを作り、各記事から著者情報としてリンクします。第二に、監修者がいる場合は弁護士名・登録番号・所属弁護士会を記事に明示します。第三に、構造化データ(Person schemaとLegalService schema)をJSON-LD形式で設定し、Googleがサイトの情報を構造的に理解できるようにします。設定後はリッチリザルトテストとSearch Consoleで確認します。制作会社に依頼する場合は、この記事のJSON-LDの記述例をそのまま渡せば対応してもらえます。

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